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上野動物園にパンダが再びやってきて一年。客寄せ効果は?

2012年04月07日 動物
パンダ

上野動物園にパンダが再びやってきて、およそ一年が立ちました。東京都の石原都知事が、中国からパンダをレンタルすると発言した時は、一部から批判もありました。「大金払ってパンダを借りる必要なんてあるのか」と。

パンダのレンタル料は、雌雄2頭で年間100万ドル程度が相場です。石原都知事は少し値切って、年間95万ドル(現在のレートで7750万円程度)でレンタルしました。その他に、パンダ舎の改修に9000万円かけ、これからまた数千万円の費用が発生します。パンダのエサ代も年間1000万円近く必要になります。ざっくりとした計算で、パンダのつがいのレンタルには、年間1億円程度がかかる計算になります。

さて、パンダをレンタルするのは無駄遣いなのでしょうか?

これは、パンダによって増えた入園者数の増減を比較すれば計算できます。

2012年2月に、上野動物園の入園者数が19年ぶりに400万人を突破し、前年同期の約1.7倍になったとの報道がありました(2012年1月末の記録)。年度の途中にも関わらず、約160万人も入園者数が増えたことになります。

上野動物園の入園料は、大人600円、子ども200円、その他に団体割引や都内無料サービス、年間パスポートサービスなどがあります。ここでは適当に一人あたり入園料を300円と仮定して計算してみます。
300円*1600000人=480000000円(4億8000万円)
パンダ来日から1年足らずで、4億8000万円もの入園料を増加させることに成功したようです。パンダの年間コスト約1億円を引いても、4億円近い収益です。東日本大震災による逆境をはねのけ、上野動物園は大賑わいです。しかも、入園料だけでなく、パンダグッズなどの販売や園内レストラン、上野動物園を訪れた人の上野周辺への経済効果などもはかりしれません。一説では100億円、200億円はくだらない経済効果があるとの想定もあります。パンダの客寄せ効果は抜群で、レンタル代は全く無駄になっていないと言っても過言ではありません。今年は東京スカイツリーも開業し、パンダ・浅草・スカイツリーなどの観光相乗効果も見込めるかもしれません。


今年の3月には、2頭のパンダが繁殖期に活動がありました。この先パンダの赤ちゃんも誕生するかもしれません。日本で生まれたパンダだとしても、実はそのパンダの赤ちゃんにもレンタル料は発生します。1頭60万ドルくらいが相場と言われています。上野動物園で赤ちゃんパンダが生まれたとなれば、60万ドルよりもっと入園料収入が増えることが予想されるため、これも問題にはならないでしょう。

ということで、上野動物園にパンダが再びやってきて一年。パンダの客寄せ効果は絶大なのでした。何より、パンダを見て喜んだ人の笑顔はプライスレスです。


参考までに、3月の平日、どれくらい上野動物園が賑わっていたのか、動画におさめてきました。

上野動物園にパンダが再びやってきて一年 - YouTube
(YouTubeに行って、720p HDや1080p HDを選択するとよりキレイに視聴できます)

パンダがいなくなってからの上野動物園は、入園者数が少なくなって寂しい感じになっていました。去年パンダが再びやってきてからは、ずっと賑わいが続いています。