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【CP+2012レポート2】ニコンのD800、D800E、D4

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2012年02月10日 カテゴリ:カメラ・写真


東日本大震災とタイの洪水の影響をモロに受け、新型フルサイズ機を発表できなかったニコン。ついには、後継機の発表がないままD700の出荷が終了してしまいました。

かなり早い段階から、D800のイメージセンサーは3600万画素になるだろうと予想されていました。その後、D800は2機種あり、一つはローパスフィルターをなくすという噂まで出てきていました。

そして正式な発表があったのが2月7日。「D800」と「D800E」が発表されました。

D800とD800Eはどちらが売れるのか

ニコン映像カンパニー開発本部長によると、「D800とD800Eの販売数量見込みは9:1 」とありました。カメラの中でも高価なパーツに位置するローパスフィルター。そのローパスフィルターを抜いたら、カメラの価格が安くなる上に、ローパスフィルターによる悪影響もなくなって、もっと売れるのではないか、と最初は思いました。

でも、D800Eの仕様をよく見ると違いました。ローパスフィルターをカットしたのではなく、ローパスフィルターの効果をカットしたモデルになっていました(参照:Nikon D800 / D800E Camera - Hands-On Preview)。ローパスフィルターを単純に抜いているのではなく、ローパスフィルターの効果を打ち消すために余計な手間がかかっています。つまり、ローパスフィルターありバージョンよりもさらに高価になっているということです。

さて、ローパスフィルターありとローパスフィルターの効果なしでは、写りにどれくらいの違いがあるのか。少しくらい高くなっても、写りの良い方をユーザーは選ぶはずです。ニコン公式のD800 / D800E - 撮影サンプルを見て、すぐにわかりました。「ローパスフィルターありの方が売れる」と。

確信したのは、D800で撮影された「Jim Brandenburg」の緑の木の写真です。D800の3600万画素に合わせた高性能なローパスフィルターの出来が素晴らしいです。モヤモヤしていなくて、解像感が良く、ローパスフィルターの悪影響というものがほとんど見えません。イメージセンサーだけでなく、ローパスフィルターの方も格段に進化しているようです。旧機種D700だと厚めのローパスフィルターで解像感が落ちているように感じることもあったのですが、D800のは良いです。もちろんニコンのレンズ「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II」も恐ろしく高性能で、3600万画素になっても完璧に解像しています。

一方、ローパスフィルターの効果をカットしたD800Eの方はというと、悪影響の方が大きく出てしまっています。解像感はローパスフィルターありのD800が十分良いため、D800Eで効果をカットしてもそれほど差が出ていません。それよりも、モアレや偽色、さらにはレンズの粗までもが見えやすくなってしまっています。価格もD800Eの方が高く、これなら高性能なローパスフィルターを搭載しているD800の方が全然良いです。「D800とD800Eの販売数量見込みは9:1 」というのは本当にその通りになると思います。

D4とD800とD800E

D800とD800E、どちらが良いのか自分の中で判断した後、CP+2012のニコンブースに行ってきました。D4の実機を見て、D800の実機は実際に触ってきました。

これがD4です。D800と違い、画素数を抑えて連写性能や高感度撮影に優れたフラッグシップ機です。過酷な現場にも耐える信頼の高いニコンのボディがさらに洗練されています。



そしてこちらがD800。旧機種D700からは画素数が3倍にアップし、D3x系統と統合されました。D3の時は画素数に合わせてD3xとD3sに分かれましたが、D4はD4だけです。マイナーチェンジのD4sが出る可能性が少しくらいあったとしても、高画素版のD4xが出ることは絶対にあり得ません(とメーカーの人が言っていたと阿部さんが言っていました)。画素数の必要なスタジオ用途には、フラッグシップ機ではなくD800をすすめるようです。



未知なる次元D4。「ディーヨン」ではなく、「ディーフォー」。



衝撃、36.3メガピクセルのD800。読み方は「ディーハッピャク」。



36.3メガピクセルの解像感をさらに際立たせる超高解像仕様D800E。多分「ローパスフィルター無くしたモデルも出せ」と言われて、試しに出したようなものだと思います。D800が高性能な上に、D800Eは欠点が多くて扱いづらいので、一般にはあまり売れないだろうと予想します。

実際にD800で撮影してみた

ニコンブースでは、D4とD800の実機を使って撮影体験できるようになっていました。旧機種D700の不満と言えば、何よりも「大きくて重いこと」です。他には水準器表示がファンクションボタンを押している間しか表示されないこと、視野率が100%でないこと、シャッター音がうるさいこと、が自分の中で不満でした。

最近ではパナソニックのカメラで動画を撮影するようになったので、D700で動画を撮影できないことも不満になってきました。一眼に動画機能が付いた当初は、「これで動画なんて撮るの?」と思っていたりしたのですが…最近では一眼の動画機能が著しくパワーアップしていて、十分実用に耐えるようになってきました。耐えるどころか、映画も撮影できるほどの性能になっています。例えば「モテキ」は、パナソニックの普通のミラーレスカメラで撮影されています。

ということで、D800を持ってみました。



「ズッシリ感がなくなってる!」。まずはこれが第一印象でした。D700より100g近く軽量化され、見事にズッシリ感が解消されていました。100gの差は、手に持った時に想像以上の差となって現れます。この重さだと、ボディの高さがもう少し低くなってもいいんじゃないかと思うくらい軽くなっていました(一般の感覚からすると、十分重いですが)。

ファインダーを覗いて驚いたのは、水準器表示が常時表示されることと、それが縦横2軸になっていたことです。これは素晴らしいです。そして視野率100%。視野率95%のD700より、隅々まで明らかに見やすかったです。背面液晶は3.2インチに大型化し、画面も見やすくなっていました。他、細かいところまではわかりませんでしたが、ボディの作りやシャッターフィーリングはさすがニコンでした。

D800の進化しているポイント

D800の進化しているポイントは、たくさんあります。3600万画素の新イメージセンサーはもちろんのこと、AFセンサーやAEセンサー、画像処理エンジンなども大きく進化しています。HDMI出力から非圧縮のフルHD動画を出力する機能なんていうのも付いています。

気になったのが「顔認識」。「どうせレスポンスの悪いライブビュー時に顔認識するだけでしょ」と思っていたのですが、実は光学ファインダーを覗いている時にも顔認識AFができる斬新な機能でした。



それから、阿部さんは「とっさのスナップでは、近づけないときもある」ので、3600万画素を活かしてトリミングをするのも良い、とおっしゃってました。幼女の裸を撮影したい児童ポルノ写真を作る時にも便利かもしれません。レンズ性能さえ追いつけば、トリミングしても全然高画質ですね。問題はファイル容量で、1枚撮影するたびに3600万画素のデータを記録するので、CFカードの用意やHDDのバックアップが大変かもしれません(DP1 Merrill、DP2 Merrillの4600万画素に比べれば、たいしたことないのかもしれませんが…)。



フォトグラファー渡辺伸次さんのセミナーでは、D-MOVIEによる動画撮影やスチル撮影の話がありました。「D800にはナノクリスタルレンズを使え」とのことでした。一方、阿部さんは「16-35mm f/4Gは便利で好きだけれど、14-24mm F2.8Gに比べると明らかに劣る」とも言っていました。D800のセンサーを活かすレンズを用意するのも大変です(経済面でも体力面でも)。



というわけで、D800がとても欲しくなってしまったのでした(お金があれば…)




追記
D800とD800EのRAW現像をしてみました。ローパスフィルター効果をカットしていてもそれほど気にならず、また後処理での軽減も可能なため、D800Eを選ぶという選択肢も全然ありだと思うようになりました。
Lightroom4でニコンD800のRAW現像をしてみた(ISO6400)
D800EのRAW画像をLightroom4で現像してみた。モアレ除去も。
D800EのRAW画像をCapture NX 2で現像してみた。モアレ除去も。

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