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「このマンガがすごい!」2012年版オンナ編第1位「花のズボラ飯」

2012年01月18日 読書
「このマンガがすごい!」2012年版オンナ編第1位に輝いた「花のズボラ飯」を買ってみました。


「花のズボラ飯」は、主人公の花ちゃんがパンツ丸出しでお料理をして、それをおいしくいただく漫画です。

と書くと語弊がありそうなので、書き直し。

「花のズボラ飯」は、単身赴任の夫を持つ欲求不満30歳の主婦・花が、一人おうちでズボラに欲求を満たす漫画です。

この書き方もなんだか語弊がありそうですね。

まぁつまりは、夫が単身赴任中で、汚いままの部屋に住んでいる主婦が、手抜き料理を作って、そのズボラ飯を食べるというグルメ漫画です。


花のズボラ飯」の原作は、「孤独のグルメ」で有名な久住昌之氏。

「孤独のグルメ」が中年男性を主人公にしたハードボイルドなグルメ漫画であったのに対し、「花のズボラ飯」はズボラな主婦が主人公のグルメ漫画です。「孤独のグルメ」では、主人公はあまりしゃべらず、内面の心理描写が特徴でした。「花のズボラ飯」はというと、主人公は一人でしゃべりまくり、変なギャグを言って盛り上がり、汚い部屋に住み、手抜き料理をするという、「孤独のグルメ」とは対照的な内容になっています。

一方で、久住魂とでもいうか、この作者特有のこだわりみたいなのもあって、「孤独のグルメ」と「花のズボラ飯」を比較しながら読んでみるのも、一つの楽しみだったりします。

ということで、何点か似たような場面を紹介してみます。

例えば、「孤独のグルメ」では、食材がダブることをやけに気にしていました。

うーん…ぶた肉と
とん汁で
ぶたがダブってしまった

「花のズボラ飯」でも、玉子がダブったりします。

面倒くさいフレンチトーストちゃんと作って
憧れのエッグスタンドに半熟玉子いれて
あっ フレンチトーストにも玉子使ってるか……
じゃあ別の日にね

おなじみの「持ち帰り」もネタに仕込んであったりします。

お持ち帰り?
そういうのも
あるのか

自然食とかそういうのを少しバカにしている感じとかも。

こういうのも全部無添加なんだろうな
でも
結局こういうのって高くつくんだよなあ

ってゆーか。

自然志向ってゆーか
ヒッピーの生き残りってゆーか
ジョン&ヨーコがやりたいってゆーか
インドってゆーか
島ってゆーか
しぼり染めってゆーか
無農薬ってゆーか
ヨガってゆーか
いつも全体的にほんのり薄茶色ってゆーか


主人公の性格は漫画によって全然違うので、こういう似たようなところを探してみるのも楽しいと思います。「孤独のグルメ」は、現在では「孤独のグルメ新装版」が発売されていますので、これから買おうとしている人は、古いのではなく新装版を買った方が絶対に良いです。新装版には、10年ぶりの新作や対談などが載っています。



なお、「花のズボラ飯」は、「孤独のグルメ」のように高評価かというと、実は違います。賛否両論です。何が否か。それは「汚さ」です。


部屋の汚さ、主人公の汚さなどが、人によっては我慢できないようです。清潔な人には全く受け付けない漫画のようです。

「花のズボラ飯」は、汚いのを我慢できる、あるいは汚いのに慣れている人限定でオススメできる漫画です。「花のズボラ飯 うんま〜いレシピ―なぜ、ズボラ料理なのに泣くほどうまいのか」というレシピ本まで発売されているくらいなので、花ズボ(花ズボと略すかどうかは知りません)が合う人には合うと思います。