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ニコンD40で1/4000秒のハイスピードシンクロ撮影をする方法

2011年10月16日 カメラ・写真


ミュージシャン・綾小路翔さんも愛用するニコンの名機「D40」。

小型で軽量性が売りのD40には、最近のデジイチにはないいくつかの機能を備えていて、今でも根強いファンがいたりします。中でもフラッシュ・シャッター関連の性能には、D40特有の長所があります。D40が搭載しているセンサーとシャッター形式とその他の機種の形式は、次のようになっています。

機種 センサーの種類 シャッター形式
D40、D50、D70など CCDセンサー  CCD電子シャッターと機械式シャッターの併用
D60など CCDセンサー 電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター
D300s、D700、D3など CMOSセンサー 電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター

D40は、今ではほぼ絶滅してしまったCCDセンサーを搭載し、かつCCD電子シャッターと機械式シャッター併用のシャッター形式を採用しています。このおかげで、D40では内蔵ストロボを発光させた時に、1/500秒までのシャッター速度を設定できます(ニコンのフルサイズ機D700でも、内蔵フラッシュでは1/320秒までしか同調しません)。


外付けスピードライトを利用し高速シャッターを切れる「ハイスピードシンクロ撮影」は、D3X・D3S・D3・D2シリーズ・D700・D300S・D300・D200・D7000・D90・D80など、中級機以上でないと利用できません(D40は、そのままでも同調速度の上限は1/500秒と優秀ですが)。小型軽量のエントリー機では「ハイスピードシンクロ撮影」できないことが一般的です。実はD40では裏技を使うことによって、最高シャッター速度1/4000秒までの高速シャッターに連動させてストロボを発光させることができます。

1/4000秒だと、一体どういう風に写せるかというと、こんな感じに写せます(画像クリックで拡大します)。蛇口から流れてきた水が洗面台に当たって、水滴になる瞬間を1/4000秒でしっかりと切り取れます。


この「ニコンD40で1/4000秒のハイスピードシンクロ撮影をする方法」のやり方は以下の通りです。

1.外付けスピードライトとの接点を絶縁

裏技は、外付けスピードライトとの接点を絶縁することによって可能になります。まずはフラッシュ取り付け部(アクセサリーシュー)を見てください。



そして、紙やテープで外付けスピードライトとの接点を絶縁します。D40の場合は、左側の一点を絶縁するか、あるいは右側の二点を絶縁します(今回の裏技は全て自己責任でお願いします)。



紙でもテープでも何でも良いのですが、今回は3Mのメンディングテープを使ってみました(セロテープよりはベタベタしません)。

2.スピードライトを用意する

続いて、外付けスピードライトを取り付けます。今回はニコン純正の「SB-600」を利用しました。このスピードライトは、オートFPハイスピードシンクロ撮影に対応した優れたスピードライトです(D40などエントリー機ではこの機能が使えませんが)。マニュアルで発光さえすれば何でも良いので、古くて安い中古のスピードライトでも何でもOKだと思います。



裏技のため接点を塞いでしまっているので、モードをマニュアルにします。発光量はあとで調整します。



D40にスピードライトを接続します。

3.モードをマニュアルにして撮影する

D40本体の方もマニュアルモードに切り替えます。1/4000秒で撮影するなら、こんな感じに設定します。



この設定でとりあえず試し撮りします。フラッシュが光ればまずは成功です。そして、撮りたい被写体のところでもう一度試し撮りします。フラッシュの光は距離によって大きく変わってきますから、撮った画像をその場でチェックします。撮った写真が明るすぎたらスピードライトの発光量を弱く、暗すぎたら強くします。調整後にもう一度撮影。うまくいくと、こんな感じに撮れるというわけです(レンズは、キットレンズのAF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6 G IIです)。



D40の発売から時間が経ち、今ではデジイチのエントリー機はミラーレス一眼が主流となってきました。「小型・軽量」の点では、一眼レフはミラーレス一眼にはかないません。綾小路翔さんはこのように言っています。
はじめての一眼レフカメラはNikonのD40だったのですが、とにかく難しいというイメージがありました。昔一眼レフのフィルムカメラを借りたことがあったんですが、そのときはピンぼけばかりだったので、そのときの印象が強かったんですね。でも見た目が格好いいから使ってみたくなるんです。僕は見た目から入るタイプなので、わからないなりにとりあえず持ち歩いては見よう見まねで景色とか撮影してました。重いので日常的に鞄に入れておくというよりは、旅行に持っていくようにしていたんですが、一眼レフカメラを使い始めると今までの写真との違いにビックリさせられました。奥行きや色味が全然違うから、カメラが一層楽しくなるんですよ。

talk! talk! talk!(Pleasure 楽しみ):ミュージシャン・綾小路 翔さん | ニコンイメージング
ミラーレス一眼にはない、一眼レフのニコンD40の格好良さ。それは発売から5年近く経った今でも変わっていないと思います。もしデジタル一眼レフのD40をお持ちの人がいましたら、ぜひチャレンジしてみてください。