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シグマDP2xレビュー-高感度画質チェック-

2011年06月08日 カメラ・写真
シグマDP2xの高感度画質性能をチェックするために、ISO感度別に遠景写真を撮ってみました。前回の「シグマDP2xレビュー-絞り値別遠景画質チェック-」からの続きです。「ホワイトバランス:晴れ、カラーモード:スタンダード」に固定してSigma Photo Pro4.2.2で現像しています。ノイズリダクションはISO400以降について、「色ノイズ」「輝度ノイズ」ともに中間の設定です。以下、ISO感度を変えて、ノイズをチェックします。

ISO100

まずは基準となるISO100から。

ノイズも全くなくキレイです。

ISO200

ISO100と並び、ISOオートで選択されるISO200。

こちらもキレイです。

ISO400

SIGMA DP1xとSIGMA Photo Proのバージョンアップで使えるようになったISO400。DP2xではどうでしょうか。

若干色が薄くなるのと、わずかなノイズが乗りますが、十分使えます。CCDセンサーを搭載しているニコンD60 のISO400よりも全然きれいです(ニコンD60はISO感度を上げるとカラーノイズだらけになります)。

ISO800

ISO800ではどうでしょうか。

ISO400よりもさらに色が薄くなり、ノイズも乗り、シャープさも落ちてきました。また、ISO800辺りからは横方向にノイズが走る「縞ノイズ」が目立ち始めます。

ISO1600

高感度のISO1600です。

ISO1600では、ISO800で目立っていた画質劣化がさらに進みます。個別のノイズに関しては高感度のISO1600としてはなかなか頑張っているように思いますが、横方向に走る赤い縞々のノイズがいただけません。これはFoveonセンサーにAFE(アナログフロントエンド)システムを導入したことによる弊害で、仕様です。AFEの導入は、ISO400ではノイズも少なく効果抜群ですが、ISO1600では縞ノイズが発生して逆効果になっているようにさえ感じます。個人的には、DPシリーズでISO1600のカラー撮影をしようとは考えていませんので、ISO400が実用的に使えることの方が嬉しいかなぁとは思います。

実はDPシリーズを買う前までは、「DPはISO100限定」と思っていたくらいでした。実際にISO100以外で撮影してみて、思いのほかISO200がキレイで驚いたことがあります。そしてSPPのバージョンアップでISO400も実用的になりました(色が薄くならなくなりました)。つまり、DPシリーズはISO100限定のつもりだと思っていたのが、実はISO400まで使えるわけです。DP2xの場合、絞りを開けてF2.8でISO400が使えますから、シャッタースピードも相当稼げます。これくらい撮影できれば十分かなぁとも思っています。

縞ノイズを消す方法というのが実はあって、それは「モノクローム」にすることです。白黒ならISO1600でも十分使えます。白黒派の人にはDP2xの高感度もかなり使えると思います。DP2xで高感度を活かした撮影については、次回の記事でもっと詳しく解説します。

ISO3200

最高感度のISO3200です。
ISO3200では、縮小画像でも横方向に走る赤い縞ノイズが見えるようになってきました。今まで「縞ノイズってなんだ?」と思っていた人も、このISO3200の画像を見ればわかると思います(画像をクリックすると大きく表示されてもっとわかります)。ISO3200が問題なく使えるデジカメというのもあまり多くはありませんから、これは仕方ないと思います。

おまけ:ISO50

最後に、おまけとして低感度のISO50も。

ISO50は拡張ISO感度として用意されています。シャッタースピードを落としたいときには有効な感度です。欠点としては、ハイライト側の階調性が落ちてしまうので、白飛びを起こしやすいシーンには使えません。今回は少しアンダー気味に撮影していますので、ISO50でも問題なく写っています。

まとめ

DP2xのISO感度は、ISOオートで自動的に決定されるISO100とISO200はどちらもノイズもなくきれいに写ります。細かく見れば、ISO100の方が色の再現性は少し上のように見えます。AFEの効果とSIGMA Photo Proのおかげで、ISO400もかなりきれいです。自分の感覚としてはDP1xのISO400と同様、DP2xのISO400も全然OKです。ISO400ではほとんどノイズも見えませんから、ISO400までなら高感度に強いデジカメと言っても良いかもしれません(ノイズの感じ方については個人差が大きい部分ではありますが…)。ISO800は縞ノイズが気にならない被写体(背景が灰色とかだと目立ちやすいです)ならばギリギリ使える程度でしょうか。ISO1600からは、縞ノイズのせいでカラー撮影だと厳しい画質です。

さて次回は、DP2xの高感度ISO3200での撮影を活かすための現像テクニックを解説します。次回の記事を読めば「DPシリーズは高感度撮影に強い!」と思えるようになるかもしれません(保証はしませんが…)。