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SIGMA 24-70mm F2.8 IF EX DG HSMレビュー3-焦点距離別画質-

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2011年01月23日 カテゴリ:カメラ・写真
SIGMA 24-70mm F2.8 IF EX DG HSMレビュー1レビュー2からの続きです。シグマの最新フルサイズ向け大口径標準ズーム「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」の焦点距離別画質を、地上69階、高さ273mのところに行ってテストしてきました。

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広角端24mm

まずは、広角端24mmからテスト。

■絞り値:F2.8

広角端24mmは、絞り開放でも中央がシャープに写っていて、色乗りも良い感じです。
周辺光量落ちは大きく、周辺画質もゆるいですが、中央がシャープなので使い方によっては十分使える写りです。


■絞り値:F4

一段絞ると、シャープな範囲が広がっていきます。


■絞り値:F5.6

さらにもう一段絞ると文句のない画質です。
コントラストも高くて良い写りです。


■絞り値:F8

F8まで絞ると、極周辺以外は素晴らしいシャープさです。

32mm

続いて広角28mm辺りで(EXIFの読みは32mmでした)。

■絞り値:F2.8

「あれっ?」という感じです。
広角端では絞り開放からヌケの良い写りでしたが、少しズームしただけで球面収差が目立ってきました。
中央以外はゆるすぎて使い物になりません。


■絞り値:F4

一段絞ると球面収差はかなり改善されてきました。
でもまだ周辺は白っぽく、写りもゆるいです。


■絞り値:F5.6

二段絞って、やっと問題のない画質になりました。


■絞り値:F8

F8まで絞ると、シャープで素晴らしい写りです。

48mm

続いて標準50mm辺りで(EXIFの読みは48mmでした)。

■絞り値:F2.8

球面収差で白っぽいし、解像力も低くてダメダメです。
解像しきれなくて、溶けたような写りになってしまっています。
普段、単焦点の50mmを使っている人が、50mmF2.8でのこんな写りを見たら「ズームレンズなんか使っていられるか」と怒り出しそうです。


■絞り値:F4

一段絞るとマシになってきますが、周辺はまだゆるいです。
このレンズは、像の平坦性が非常に悪いです。


■絞り値:F5.6

50mmというと、SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMレビューその4-焦点距離別遠景画質-に「50mm f5.6の画像」のアップしてあります。
あのレビューのとき、「50-500mmの高倍率超望遠ズームでありながら、並の標準ズーム以上に解像しています」と書きました。
画質の安定度では、今回の「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」よりも「50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM」の方が上だと思います。


■絞り値:F8

F8になるとかなりシャープです。
このレンズは開放F2.8の大口径標準ズームでありながら、F5.6〜F8くらいまで絞らないと本領を発揮しないレンズのようです。

望遠端70mm

最後に望遠端70mm。中望遠開放は、ポートレートなどにもよく使う条件で、個人的には望遠端の写りも非常に重要だったりします。

■絞り値:F2.8

「なんだこれ…」という印象です。
望遠端70mmでは中央でさえ解像しきれず、画像が溶けています。
しかも周辺減光も酷い。
ニコンD700で、これほど酷い画質はそうそう実現できない程のレベルです。
「これがシグマの最新大口径標準ズームか…」と落胆するには充分な写りでした。


■絞り値:F4

一段絞っても満足いく写りになりません。
前回のレビューでAF精度が悪かったのも、望遠端の写りが悪すぎてピント位置を検出できなかったからだと思います。


■絞り値:F5.6

二段絞るといきなり写りが激変して良い写りになります。
画像左端がゆるい感じですが、その原因は次の写真でわかります。


■絞り値:F8

F8まで絞ると、開放ではあれほど写らなかった望遠端でも画質が良くなります。
左端を見てみると、完全に片ボケしていることがわかりました。
望遠端のみ、片ボケが発生しているようです。
ズームレンズのごく一部の焦点距離のみ、しかも絞らないとわからない(絞らないと写りがゆるすぎて片ボケしているかどうかもわからない)ほどの片ボケなので、しっかりとテスト撮影しておかないと、片ボケに気付かないかもしれません。

他レンズ、他カメラの参考画像

「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」は、シャープさが足りず、像の平坦性も低く、納得のいかない写りでした。
参考までに他のレンズやカメラで撮影した画像もアップしておきます。

■Ai nikkor 85mm F2 絞り値:F2.8

ニコンのレンズの中でも「軟調」として有名で、30年以上前に発売された「Ai Nikkor 85mm F2」で撮影してみました。
焦点距離や時間帯など撮影条件は違いますが、上の「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」の70mm F2.8と比べてみてください。
スタジアムの観客席の解像度などがまるで違います。


■Ai nikkor 85mm F2 絞り値:F5.6

F5.6まで絞れば、周辺までしっかり写ります。
「軟調」なレンズであっても、「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」より全然良い写りです。
ズームレンズは、30年以上前の単焦点レンズの足下にも及ばないということでしょうか。


■iPhone4

あまり関係ありませんが、ついでなのでiPhone4の写真もアップしておきます。
けっこう良く写ります。


■SIGMA DP1x

それから、交換してもらったSIGMA DP1xの写真もアップしておきます。
横幅1920ピクセル程度なら、SIGMA DP1xの解像力に勝てるカメラはなかなかないかと思います。素晴らしい写りです。

まとめ

「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」は、広角端のみ開放F2.8でもヌケの良い写りで、それ以外の焦点距離では2段絞らないと本領を発揮しないレンズでした。像の平坦性も悪く、絞らないと使う気にならない写りです。F2.8の大口径標準ズームレンズでありながら、絞らないとまともに写りません。F5.6以上に絞れば、ピント面はすごくシャープに写りますが、絞って使うなら手ブレ補正付きのレンズやもっとズーム倍率の高いレンズを求めます。ピント面だけキレがあってシャープで、アウトフォーカス部とのつながりが悪く、ボケ味を活かした写真は非常に撮りにくいレンズだと感じました。

このレンズがもしも実売4万円台なら、「写りにクセはあるけど、絞るとすごいシャープなレンズだね」と評価をすることができます。でもこのレンズは実売9万円近い高級レンズです。最近のシグマの評判を聞いたフルサイズカメラを持っているユーザーが、試しにシグマの最新大口径標準ズームレンズ「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」を買ったとして、この写りではガッカリするのではないかと思います。しかも、ピント位置はずれているわ、AF精度は悪いわ、片ボケしているわで。もし自分が自腹でこのレンズを買っていたとしたら、片ボケを修理してもらってから、値が下がらないうちになるべく早く処分すると思います。

「24-70mm F2.8 IF EX DG HSM」を買ったニコンユーザーの中には、このレンズを買ってから、その後すぐに売って純正の「Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」に乗換えた人がけっこういたりします。一方、ニコンの24-70mmを買って後悔した人はほとんどいなくて、満足している人ばかりです。それを考えると、シグマとニコンの大口径標準ズームレンズでは相当な差があるのではないでしょうか(自分はタムロンユーザーなのでわかりませんが)。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMを試したときは、「10倍ズームでこんなに写るのか!解像力は良いし、ボケ味も悪くない。特に広角端の周辺画質までここまで写るのは本当に素晴らしい!」と驚いたものでした。今回の24-70mmは違う意味での驚きがありました。確かにコーティングなどは最新のもので良くなっています。でも光学性能的には何世代か前のレンズのように感じてしまいました。自分には、価格に見合った性能を持ったレンズだとは思えませんでした。


と、借りていたレンズなのに、なんだかネガキャンがひどすぎますね。次回は、もう少し実写でのテストを踏まえてレビューをします。


なお、当ブログでは「借りたもの」「もらったもの」であっても、レビュー内容が甘くなったり、提灯記事を書いたりすることは絶対にありません。今までも、そしてこれからも、自分の思ったことを好き勝手に書いています。今後ともよろしくお願いします。

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