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「制服の上から尻を撮影」することは可能なのか

2010年09月24日 カメラ・写真


「制服の上から尻を撮影」して、高校教諭が逮捕されるという事件がありました。
「制服の上から尻を撮影」とは、この2件のようです。
・教え子の女子生徒2人の尻を制服の上からデジタルカメラで撮影
・女性(24)の尻を服の上から撮影
えっ…。
「制服の上から尻を撮影」することなんて可能なのでしょうか。

制服の上から尻を撮影するには、衣服が透けるカメラでも持っていないとムリだと思います。その昔、「赤外線」がどうとかで衣服が透けてしまうビデオカメラが発売されてしまったこともありました。もし、本当に衣服が透けるカメラを今でも持っているなら、わざわざ「尻」じゃなくて、前からも堂々と写すような気がします。デジカメを押収した時点で、尻だけでなくそこら中透けて写っている写真が大量に見つかるはずですので、おそらくこの教諭は透けるカメラを持っていたわけではないと思います。

では、なぜ逮捕されたのか。もう少し調べてみました。

逮捕容疑は今月8日午後7時ごろ、同県安城市の雑貨店で、いずれも18歳の女子高校生2人の尻を撮影するなどした疑い。1メートル以内から何枚も撮影していた。

 安城署によると、知立市内の書店で17日午後、鈴木容疑者に脚や尻を撮影されていることに気付いた女性(24)が同署に通報、任意で事情を聴いていた。
会社員女性(24)の太ももなどをズボンの上から撮影した疑いがある。同容疑者は安城市内の私立高校に勤務。雑貨店には、生徒2人と学園祭の買い出しに訪れ、別の生徒が撮影する様子を携帯プレーヤーで動画撮影し、同署に相談。盗撮に気づいた会社員女性も同署に通報した。同容疑者は「数件撮影した」と供述しているという。

読売新聞以外にもこの事件の記事がありました。この高校教諭がやったことはつまり、「ズボンをはいている女性のズボン部分と、スカートをはいている女子高生のスカート部分を撮影した」だけのようです。別にスカートやズボンが透けて尻が丸見えになったわけではないようでした。

一般的に、スカートの中を撮影すれば明らかな盗撮です。周りからは見えない、隠している部分を撮影すれば、それは逮捕されて当然です。
今回の場合は、周りから見えているスカートやズボンの生地を撮影しているだけなのに逮捕されています。
街に出れば、スカートやズボンをはいている女性はたくさんいて、いくらでも見ることができるのに、それを撮影したとたん逮捕されるのはどうなのかなぁと思ったりします。
ニュース番組でも、街行く人々は普通に写っていたりするわけで。

今回の場合、なぜ逮捕されたかというと、2件とも警察に通報されているところがポイントです。通報されたということは明らかに不審行為で、怪しい行動を取っていて、周りに迷惑をかけているわけです。それが迷惑行為防止条例に該当したと思われます。


最近だとこのような行為に対する反応がエスカレートして、女性の下半身部分だけを撮影すると、割と簡単に逮捕されるようです。他人の顔を写した場合にはプライバシーが問題となることはわかりますが、顔も写っていない写真、誰にも迷惑をかけていないような状況でも逮捕されるようです。

勝手に写すと問題になるならと、写す前にていねいに声をかけると、たとえば大阪では即犯罪になります。

 

迷惑行為防止条例は県によって内容が違いますが、なんでも規制規制でガチガチにしてしまうと、コミュニケーションさえも取れなくなってしまいます。「ねえねえ」と声をかけることや「年いくつ」と声をかけることも犯罪行為となってしまいます。

 
 

他人に迷惑をかけることはダメなことです。ただ、その迷惑かどうかの判断が、年々過剰になってきているような気がします。
規制でギスギスするような世界を作るよりも、誰もが気軽に挨拶しあえるような世界を作った方が、よっぽど盗撮行為や迷惑行為は減ると思うんですけどね。