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個人的にフィリップス最高音質のPHILIPS SHE9800レビュー

2010年07月19日 音楽
昨年のフィリップスヘッドフォンのレビューモニター・マラソンに引き続き参加している、「フィリップス ヘッドフォンマラソン2010」。2010年最終回となる第6回目は、PHILIPSの「SHE9800」です。

当初はネックバンド型の「SHQ4000」が予定されていましたが、入荷遅れのために、再びカナル型のイヤフォンになりました。家はもう、PHILIPSのカナル型イヤフォンだらけになっています。

ということで、PHILIPSカナル型イヤフォン最後となる「SHE9800」レビューです。

「深みと拡がりを持つサウンドを提供」。
「快適にフィットし、ノイズを遮断」。
PHILIPSの場合、パッケージに書いてある部分が長所となっているので、ここは毎回要チェックです。



「先進の音響技術
深みのあるパワフルなサウンドステージ」。
深みのあるパワフルなサウンドステージとは、どういった音なのか。
非常に興味をそそられます。



外箱を開けると、「Only feel the music」。
これは、前回のSHE9850レビューの時にも見た、キャッチコピーです。



中を取りだしてみました。



ケースとイヤーキャップとイヤフォン。
シンプルな作りです。



コードやパーツにも手抜きはなく、上位機種らしさがうかがえます。



イヤフォンのデザインはやや特徴的で、耳の穴に突っ込むカナル型としては大きめの作りです。

PHILIPS イヤフォン SHE9800レビュー

低域
このイヤフォンは低音重視ということで、PHILIPSらしい派手な低音を想像していました。
が、全然違いました。
低域の一部だけが極端に持ち上げられているわけではなく、低域全体がバランスよくやや強めの音で、気持ちの良い音が鳴ります。
しかもこのSHE9800の特徴として、音場が広めというものがあります。もちろん高級ヘッドフォンの大型スピーカーから鳴り響く壮大な広さはありませんが、音場が狭くなりがちなカナル型イヤフォンとしてはかなり広めの音作りです。
音場が広めで、極端に低音を強調するわけでもなく、後ろから丁寧に曲全体を支えている感じ。この感じをうまく表現する言葉は…
深みのあるパワフルなサウンドステージ」!あぁ、これです、まさにこれがピッタリな表現です。深みのある音です。
それほど低音が締まっているわけでも、前でズンズン低音を鳴り響かせるわけでもないので、実は低音重視イヤフォンなのに、低音好きの人には向かないイヤフォンだったりします。
個人的に、こういう音作りは大好きです。
PHILIPSでもこういう音作りができて、面白いイヤフォンに仕上がっているなぁという印象を受けました。

中域
低音重視ということで、SHE9700の時のような中域の引っ込み具合になるのではと気になっていました。
でも、この心配は杞憂に終わりました。
中域はクリアでヌケも良く、ボーカルの声もしっかり表現できています。
音の鳴る位置も安定していて、低域から高域まできれいにつないでくれます。
また、SHE9850のように音源によって大きく性格を変えてしまって聴きづらい…ということもありません。
どんな音源であっても、深みのあるSHE9800音質は変わらず、安定して聴けます。

高域
低域、中域と比べた場合に、この高域だけは少し物足りなさが残ります。SHE9850もそうでしたが、高域の上の方になると音が弱くなっていきます。その分、高域の艶、伸び、解像感の面でやや物足りなさがあります。
もう少し高域は強めでも良かったように思います。
SHE9800は低音好きの人には合わないし、高音好きの人にも合わなそうな感じがします。
その反面、嬉しいことが一つ。
「高音がまったく刺さらない!」
これは嬉しい限りです。
いくら高音にツヤがあっても、耳に刺さるようでは長時間のリスニングに耐えられません。
SHE9800は音場が広めで、高音が強調されていたりもしないため、耳に刺さるような音も出ません。
また、イヤフォンそのものの作りに起因していると思いますが、音が複雑になっても、音が暴れたりしません。
SHE9700SHE3680などの低価格品では、コスト削減の影響なのか、どうしても音が暴れて、細くなったり粗くなったりする部分がありました。
SHE9800はSHE9850同様、高級品であるために、音が複雑でも暴れたりしません。
心地よく、何時間でも聞き続けることができる音です。

遮音性
外部遮音性ですが、イヤフォンの大きさの割には、意外と外の音も聞こえます。遮音性は低い方です。
また、音漏れについては、カナル型としては漏れる方です。
イヤフォンの後ろの方から音が抜けていっています。
その分、こもり感はなく、ヌケの良さにつながっている部分もあるので、これは仕方ないと思います。

タッチノイズ
タッチノイズは他のカナル型同様ありますが、少ない方です。
イヤフォンを付けたまま歩いていても、割と気にならないタイプです。

装着感
イヤフォンの形としてはジェルスリーブを採用していたSHH9756に似ています。
ただ、SHE9800にはジェルスリーブが無い分、耳にはめてみるとほんの少し大きいように感じました。
一度付けてしまえばそれほど気になることもなく、イヤフォンを付けながら歩いていてもほとんどずれることなく安定して付けられます。

イヤーキャップ
イヤーキャップはいつものPHILIPS付属のものと同じで、Mでわずかに大きく、Sで小さい感じです。
SHE9800は低域がやや強めで高域が弱いところがあるので、今回はSを付けて使っています。
こうすると少し低域が弱まり、高域が強調されて、バランスがさらに良くなります(個人的な話です。耳の形は個人差が大きいですので)。
小さいイヤーキャップを付けても音が刺さったりしないので、自由度は高いです。

個人的なまとめ
前回の最上位機種「SHE9850」が、価格に見合わないがっかりなカナル型イヤフォンだっただけに(個人的な好みに合わなかったという話ですので)、もうカナル型は限界かと思っていました。
特に、2000円でお釣りが来る「SHE9500」と「SHE3680」のコストパフォーマンスがすごすぎたので、SHE9800には何も期待していませんでした。
ところが、SHE9800を聞いてみて、想像を超える音作りに驚きました。
カナル型でもこういう音作りができて、全域で丁寧な音作りで「深みのある」サウンド。
このイヤフォンは気に入りました。個人的にSHE9800はPHILIPSカナル型イヤフォン最高音質です。
今まで7つのPHILIPSカナル型イヤフォンを試してきましたが、最後にして最高のイヤフォンでした。


着け心地:★★★★☆
音質:★★★★★



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