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電子書籍に興味はない

2010年05月31日 iPhone・iPad・Android


今月発売されたiPad
iPadの登場で、「電子書籍」が注目されています。

iPadを母に見せたら、こんなことを言われました。
母「これで本を読むんだよね?」
ZAPA「えっ」
母「これがあると本がいらなくなるって、テレビでやってたよ」
ZAPA「えっ」
母「えっ」
ZAPA「iPadで本なんて読まないよ。こんなので本読んだら目が疲れるじゃん」

自分にとって、「iPadは電子書籍端末だ」などとはこれっぽっちも思っていないので、「iPadで本を読む」と言われても困ります。
日本でもiPadの登場で電子書籍がいろんな分野で注目されたりしています。
電子書籍になり、紙や印刷や流通のコストなどが省けて、省エネで安く本が読める、と言われてもピンと来ません。
特に、長文の電子書籍の小説などには全く興味ありません。

基本的に活字離れしているので、目の疲れるディスプレイを使ってまで長文を読みたいとは思いません。
目の疲れ度で言ったら、液晶ディスプレイはまだまだ紙の快適さにかないません。

そもそも普段から本を読まない人にとって、「iPadになったら本を読むか?」と質問されても「読まない」と答えると思います。

本を読まない理由に、「価格」はあまり関係ありません。

文庫本小説なら、1冊500円前後から売っています。プロの小説家が苦心して生み出した1冊を、500円程度で買えるのであれば、高いとは思いません。高いと思っているわけでもないのに本を買わないのは、理由があるからです。

CDが売れない理由

「音楽のCD販売が不況だ」と言われるたびに、「CDアルバムが1枚3000円もして高すぎるから売れないんだ」と叫ぶ人が出てきます。そういう時は、周りの人にこういう質問をしてみたいです。
CDアルバムを今の1/3の価格、1000円で買えるとして、買いたいCDアルバムはありますか?
と。

おそらく普段からCDを買っていない人は、買いたいCDがパッと思い浮かばないと思います。
CDを買わないのは、価格の問題以前に、買いたいCDがないからです。
魅力的なCDがない、素晴らしいCDがどれかわからない、普段からCDに触れる機会が少ない…。

同じように、普段本を読んでいない人は、電子書籍になって価格が少し下がったとしても、結局本は読まないのではないでしょうか。

小説の場合、1冊読むのに時間がかかり、読んでみないと面白いかどうかがわかりません。そこが小説の楽しいところだ、と言う人もいれば、時間がないからそんなものは読みたくない、と言う人もいると思います。時間がないから読みたくない人にとって、いくら本が安くなろうと、本を読みたくなったりはしません。

電子書籍の種類

一概に「書籍」や「本」と言っても、種類がたくさんあります。自分にとって全く興味のない電子書籍は、長文の小説や文章だけの本であって、それら以外には多少興味はあります。

iPadは画面が大きくきれいなので、これに合っている電子書籍と言えば、やはり写真やイラストをふんだんに含んでいるものだと思います。雑誌なんかが写真を含んだ本に該当します。

実際、雑誌アプリをiPadにインストールして読んでみましたが、写真はきれいに表示されていて、まずまず読めました。ただ、雑誌のフォーマットをそのまま電子端末に持ってくる必要はあるのかな、と疑問に思う部分もあります。最初から電子端末に最適化したフォーマットがあっても良いのではないかと。「本や雑誌が最高のものであって、それが電子端末でも読めるようになった」という考え方は古いのではないかと。

データで配信できるようになった現在、紙のフォーマットにこだわる必要も無ければ、字数制限や写真サイズやカラー印刷等の制限にとらわれる必要もありません。いつまでも古い規格にとらわれず、もっと斬新な発想に切り替えた方が良いと思います。

より短いコンテンツが求められている

音楽がCD販売からダウンロード販売に移行し、アルバム単位から曲単位で売れるようになったのと同じように、電子書籍ももっと短い単位で楽しめるようにするべきです。

機能的に検索機能を付けることなどはたやすいはずなので、雑誌を販売するにしても、全雑誌から横断検索して読みたい記事だけ少額で購入できるような形にするとか、やり方はいろいろあります。

電子端末では、小説のような長文を売る、雑誌一冊を売る、という今までのやり方よりも、より短文のフォーマットの方が合っています。
これはインターネットコンテンツ全体にも当てはまり、140文字の短文でブームになっているTwitterなどもそうです。
音楽も短い曲に、お笑いも短時間でのお笑いに、インターネットに限らず時代の流れとして、より短いコンテンツの方が好まれています。

現在苦境に立たされている「新聞」。新聞と電子書籍は一見相性が悪そうですが、文章の長さから見ると、実は今の時代にも合っています。
写真があって、大きな見出しがあって、短めの解説文章が載っている。
より短めのコンテンツが求められている現在、意外と新聞のひとつひとつの記事のサイズというのは現代にも合っています。

興味がないなら電子書籍は買わないのか

「電子書籍に興味はない」と言い切ってしまうと、一切電子書籍を買わないように聞こえてしまいます。でも、たいして興味はなくても、面白そうなものがあれば普通に買うと思います。いくら活字離れしているからと言って、本だって全く買わないわけではありませんし。

小説だと1冊で完結して、割高感を感じることはあまりありません。ただ、漫画だと何十冊も買わないと完結しなかったりします。その場合はまとめ買いで大幅に安くなったりするサービスや、そもそも複数の雑誌を組み合わせて定額で読めるようなサービスがあったりすれば、「多少の安さ」ではなく「大幅に安く」なるわけで、買う機会は増えると思います。

「定額」という仕組みは、とりあえず定額で契約しておいて、好きな記事だけ好きな時に読む、という現代的な使い方にマッチしています。

売り方やフォーマットを、もっともっと電子端末に最適化していけば、電子書籍の市場ももっと広がるのではないでしょうか。




と、長文を書いてみました。

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