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PHILIPS SHL9600レビュー

2009年12月04日 音楽
フィリップスヘッドフォンのレビューモニター・マラソンの第三回目です。
前回はPHILIPS SHE9551のレビューをしました(前々回はPHILIPS SHE9700のレビュー)。今回は、軽量ヘッドバンド型ヘッドフォン「SHL9600」のレビューになります。

まずは箱から。今までのイヤフォンと比べると当然大きい箱です。



中身を取り出すとこのようになります。けっこう小さめなヘッドフォンで、軽くてポータブル性能を重視していることがわかります。




コードの長さは1.2m。コードの途中には音量コントロールが付いています。また、延長コードも付いていて、ステレオミニジャックからステレオ標準プラグに変換も出来るようになっています。ポータブルオーディオだけでなく、アンプで聴くときなどに便利です。




パッド部。小柄なヘッドフォンながら、40mmの大型スピーカードライバーを搭載しています。装着してみると、側圧はかなり強めでした。




けろけろけろっぴ?イヤーパッドは自由に動かせるので、こういう形にすることも可能です。




持ち運ぶときはこのスタイルが一番良いように思います。コンパクトに折りたためるのは、ポイントが高いです。




こういう形にもできます。自分の好きな形でおいておくことができます。

PHILIPS イヤフォン SHL9600レビュー

低域
ぼわーっと締まらない低音の量だけを増やすタイプのヘッドフォンと違って、SHL9600はしっかりと低音が締まっていて良い音が出ます。この価格帯では最高クラスの低域と言っても良いと思います。このサイズでこの低音は素晴らしいです。

中域
う〜ん、ノイズっぽい…。なんだかボーカルの声がほんのわずかにざらざらとしています。なぜ少しノイズっぽくなってしまっているのかを考えてみたら、このヘッドフォンのケーブルの途中には音量コントロールが付いていました。おそらく、途中によけいな抵抗を挟んでいることによって、わずかなノイズの発生源になってしまっているのだと思います。ちょっと惜しいです…(ノイズと言っても誰にでもわかりやすいようなものではなく、ほんのわずかなノイズのことを言っています)。
それから、ボーカルの声が出てくる位置も少し安定せず、後ろに行ったりやや前に来たりと、不安定です。特に男性アーティストの場合に顕著ですが、ボーカルの魅力が失われているような感じがします。ボーカル以外の中域音なら、籠もりもなくそれほど悪くありませんが、男性の歌を聴くと少し物足りなさが残ります。

高域
高域はかなり控えめです。耳に刺さるような音はせずドンシャリ系ではありません。ただ、高域部が少なすぎるのか、中域に付随する高音の持つ魅力まで失われているような気がします。

遮音性
遮音性はなかなか高く、周りの音はいい感じに遮ってくれます。音漏れもあまりしないようです。

タッチノイズ
今まで2つレビューしたカナル型イヤフォンと比べれば、気になることはありませんでした。

装着感
装着感はとても残念でした。うまく耳にフィットするように、圧力が強くて、最初は音がよく聞こえて良いと思っていても、すぐに耳が疲れてきます。長時間の装着には耐えられず、自分には側圧が強すぎて装着感はイマイチでした。


個人的なまとめ
SHL9600は何よりも低域の締まりが良くて、気持ちの良い音が出ます。この辺りは価格以上の価値を持っていて大満足です。ただ、このヘッドフォンだとどうもヴォーカルの魅力が出てきません。あまり籠もりもなく、低音の質も良いのに、男性ボーカルの歌を聴いていると、わずかに「何か物足りない」という感じになってしまいます。音もとがっていないため、聴き疲れはしない音なのに、ヘッドフォンの側圧により耳が痛くなってくるのも残念なところです。
携帯性に関しては、小さめで良いヘッドフォンだと思います。以前はゼンハイザーのPX-200を使っている時もありました。外で使うなら、自分としてはこれくらいが限界かなと思っています。ヘッドフォンは家での着用が中心なので、あまり小型・軽量にはこだわっていないのですけどね。小さめ軽めのヘッドフォンを求めている人には良いと思います。
全体的にレベルは高いヘッドフォンではあるものの、高いレベルの中では、何かもう一つ足りないような気がするSHL9600でした。聴く音楽のジャンルによっては、低域の締まりも良く籠もりもなくて、かなり良いヘッドフォンだと思います。

現在、フィリップスヘッドフォン キャンペーン中につき、45日間全額保証をやっています。興味がある人は聞き比べてみると良いかもしれません。


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