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絞り羽根の清掃

2009年11月07日 カメラ・写真
前回購入した「Nikkor-P Auto 10.5cm F2.5」は、外観はかなりきれいだったものの、少しだけ問題があるレンズでした。前玉はとてもきれいで、クモリもなくカビもなくホコリの混入もほとんどなく、後玉には1カ所小さな傷がありました。一番の問題は、絞り羽根の油染みでした。

買って試しに写してみたところ、レンズ傷の影響は感じられず、絞りも正常に動いていました。ところが、一度レンズを外したら、絞りの動きが悪くなり、絞っても動いたり動かなかったりと、かなり不安定になりました。そのままカメラに取り付けてみると、いくら絞りリングを回しても絞り込まれず、開放のままでしか撮影できなくなってしまいました。


というわけで、おもむろに分解。
壊れているものを見ると分解したくなるのは男の子のサガ、というか、一応大学は機械系出身なので、こういうのを見ると分解したくなりますね。素人が分解しても良いものではないので、マネはしないでください。


最終的に絞り羽根の清掃だけならここまで分解する必要はありませんでした。前玉を外すだけで十分でした。よけいな部分を分解すると、それだけ組み立て直したときに精度が下がる危険性があります。

元の状態はこうだったので、精密マイナスドライバーを使うだけで上のように分解できます。ねじを外して、はめ込んである部分を外すだけです。最近のレンズだとAF機構やCPUなどが入っているため、分解して修理しようとしても手は出せないと思います。



そして絞り羽根の状態。油が染み出して動きが悪くなっています。全く動かないほどひどくはありませんでしたが、羽根が動いたり動かなかったり不安定でした。絞りリングを回しても開放のままだったりします。



絞り羽根は後ろ側のスプリングに引っ張られて絞りが閉じるようになっています。油染みのせいで、正常に閉じない場合があります。スプリングがもっと強力なら、閉じるような気もしました。分解して驚いたのは、50年近くも前のレンズなのに、かなりきれいな状態だったことです。



絞り羽根の清掃は、綿棒に無水エタノールをつけながら地道に清掃。絞り羽根まで分解してしまうと、正しく組み立てられない危険性があるため、このまま掃除しました。


こちら側は簡単にきれいにできました。羽の後ろ側は後玉のレンズ部分を取り外さないといけないため、今回は綿棒を折り曲げて差し込んで、適当に掃除するだけにしました。試しに絞りをいじってみたところ、動きがかなり軽くなり、絞り羽根もスムーズに動作するようになりました。


もう一度組み立て直して撮影。組み立て時に失敗していると、写りがおかしくなりそうですが…。

 

問題なく写りました(実は前回の写真も水が写っている写真は清掃後の写真でした)。