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サンディがサンディになった、たったひとつの理由

2009年08月25日 ドラクエ9
ドラゴンクエスト9に登場し、賛否両論となっているサンディ。

ドラクエ9には悲しいイベントも多数あるため、ナビ役と主人公をなぐさめる目的として誰かしらのキャラクターが存在する必要があります。
ドラクエ7の時には、鬱なイベントが連続して悲しい気分になってしまった人もいました。
ドラクエ8ではゼシカやトロデなどの個性的なキャラクターがいたため、仲間たちと話せば気分も和らぐようになっていました。
ところが、ドラクエ9では自由にキャラクターを作ることができるため、ナビ役の仲間がいません。このことからも、ドラクエ9に妖精のようなキャラクターが主人公について回ることは必然だったのかもしれません。

しかし、妖精のようなキャラクターが必要であったとしても、ガングロギャル風の妖精にする必要はどこにあったのか。

なぜサンディがああいうキャラクターになってしまったのか、そのカギは週刊ファミ通 No.1075 2009年7月24日号にありました。


いままでのシリーズにないサンディというキャラクター

---新たに取り入れた要素と言えば、ギャルっぽいサンディというキャラクターがいますよね?あれは堀井さんのアイデアなんですか?
堀井 そう。ラフも描きました。たまたまそのとき携帯小説にハマってたから(笑)。
---そういうのもチェックしているんですね。
堀井 携帯のゲームサイトもおもしろくて「市村くんもやりなよ」と誘ったり、紹介すると特典がもらえたから(笑)。
市村 本当なら、そういういろいろなおもしろいネタを堀井さんに提供して、ゲームに活かしてもらうのが僕の仕事なのに、逆に勧められちゃう(笑)。堀井さんって、ぼくらよりも時代に敏感だったりするところがあるんですよね。
---その感覚があのサンディにつながる、と。
堀井 そうですね。ただ、モデルを作ったレベルファイブ(開発会社)のスタッフの思い入れもすごくて、ボクが想像した以上のアクションをいろいろ作ってくれました。
市村 じつは“せんれき”画面に登場するサンディをタッチペンでつつこうとすると、華麗に避けるんですよ。クチが悪いこともあるんで、イラッときたときに、みんなそうするんじゃないかと思ったんで……。そうやって、端々で芸が細かい感じになってます(笑)。
堀井 見た目はああだし、口調もいまどきのギャルですが、本当は根がすごくピュアな、いい子なんですよ(笑)。
ファミ通のインタビューによると、どうやら「携帯小説にハマってた」ことが原因だったようです。

この号のファミ通を読んだとき(7月10日)、「携帯小説がよけいなことをやらかした」と思ったりもしたのですが、今ではサンディもドラクエ9に不可欠な要素だと思っています。
ドラクエ9の1回目のプレイの途中までは、その口調にドラクエの世界観と違和感があってあまり良い気はしませんでした。
ドラクエ9の2回目のプレイのときになると、今度は主人公が女性キャラクターだったこともあり、サンディにも慣れていて、「やっぱりサンディがいないとドラクエ9じゃないな」とさえ思いました。
慣れてこないとサンディの良さがわからないので、発売当初のサンディ不評も、今ではだいぶ変わっているのではないかと思います。



また、ドラクエ9では一部に今までのドラクエっぽさが失われている部分があります。そのことについても、ファミ通のインタビューに載っていました。
スタッフたちも育ってきたので「ある程度自由にやっていいよ」って言ったら、とんでもない量の仕様やデータが上がってきたんですよ(笑)。
スタッフのみんなから、いいアイデアもたくさん出たしね。もしかしたら「これはいままでの「ドラクエ」じゃないよ」っていう部分も入っているかもしれないけど、それが今回の「ドラクエ9」になったわけなので、それも合わせて楽しんでほしいですね。
堀井さん容認で、ある程度自由にやらせていたようです。


ところが、8月20日発売のオトナファミになると、堀井さんのコメントも変わってきています。
ただ、1つだけ失敗したなと思ったのは『ドラクエ』にある種の思い入れをしてくれている古くからのファンの皆さんへの配慮が少し足りなかったかなと・・・・・・。このあたりは次の反省点にしたいと思います。

それと、コマンドでせんれきを開いた時にサンディにやたらと「あんた遅いよ」って怒られちゃうんですね。すれ違い通信や宝の地図を集めているので、僕はしょっちゅう怒られるんですよ。このメッセージは無くせばよかったと(笑)

今作では若いスタッフたちにまかせた部分も多いので、ユーザーの反響を受けて、彼らが成長してくれるのが楽しみですね。
堀井さん自身も反省している点はあるようです。
成長したスタッフによる、新作ドラゴンクエスト10がますます楽しみになりますね!