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EX-Z400モニターレビューその7-ダイナミックフォト編

2009年03月07日 カメラ・写真
EX-Z400モニターレビュー」の第7回目です。今回は、「カシオ EXILIM EX-Z400」の目玉機能である「ダイナミックフォト」を試してみました。

「ダイナミックフォト」とは、20枚の連写画像からカメラが自動で被写体を切り抜き、お気に入りの写真と合成してくれる機能のことです。カシオのオンラインサービス「ダイナミックスタジオ」を利用することで、インターネットや携帯電話などで動画を楽しめるように変換もできます。詳しくは公式サイトに載っています。

では、作って見た動画を。




手の動きを20連写で撮影し、その後、手をどかした状態で1枚撮影することで、手の動き部分だけが自動的に切り抜かれます。切り抜かれた写真と、新しい背景用の噴水の写真を指定すると、20枚の合成写真ができあがります。手の動き以外の部分はカメラが自動的に透明にしてくれるため、簡単に背景の写真と合成してくれます。合成した写真20枚を「ダイナミックスタジオ」にアップロードすると、下記フォーマットの動画に変換してくれます。

対応機種 フォーマット
携帯電話 3GPP2
フォトフレーム MPEG-1
インターネット FLV
パソコン MOV
プレゼンテーション アニメーションGIF

今回はFLV形式で書き出し、YouTubeにアップロードしてみました。

ダイナミックフォトの不満なところ

カシオ EXILIM EX-Z400」の目玉機能である「ダイナミックフォト」ですが、実際に作ってみていろいろ不満がありました。

1.きれいに撮るのが難しい
きれいに撮るための条件が厳しいです。

ダイナミックフォトを綺麗に作るポイントには、このように書かれています。

撮り方1:目印がまったく無い、平坦な壁を探す
撮り方2:位置合わせの目印になるものを探す+三脚を使う

こういう背景を探し出し、三脚まで使って撮らないといけないのは大変です。
しかも動く被写体を20連写した後、被写体をどかして背景だけでもう一枚撮影しないといけません。背景だけを写した際、元と位置がずれていたりすると、キャラクターの抜き出しに失敗します。

2.撮影秒数が短すぎる
きれいに撮るために気合いを入れて撮ったとしても、撮影できる時間が短すぎます。

  連写速度 撮影枚数
動くキャラクター
1 秒(20fps)
20コマ/ 秒 10コマ/ 秒
動くキャラクター
2 秒(10fps)
10コマ/ 秒 20コマ
動くキャラクター
4 秒(5fps)
5コマ/ 秒 20コマ
静止キャラクター 1コマ

20fpsでは1秒だけ、5fpsでも4秒だけです。これだけ短い時間で面白い合成動画を作るのも難しい気がします。

3.アニメーションサイズを変更できない
合成するアニメーション用の画像サイズは変更できません。今回の例で言えば、手の部分を大きくしたり、小さくしたりすることはできず、元画像サイズの何分の1かで固定です。画面いっぱいに動くような合成写真は作れません。

4.動画への変換はWebサイトで
ダイナミックフォトで合成した写真は「.jpe」という20枚の写真になります。このカメラ単体でHDムービーが撮れるくらいなので、ダイナミックフォトで作成した写真は自動的に動画ファイル形式で保存されるかと思ったら、jpeファイルだけでした。動画ファイルにするには、いちいち「ダイナミックスタジオ」にアップロードしないといけないので面倒です。「ダイナミックスタジオ」自体の使い方は簡単で会員登録も必要ありませんが、アップロード作業なしでカメラ側で処理できるようにしてもらいたかったです。

EX-Z400モニターレビューその6-高速10連写編」にも書きましたが、このカメラは連写するためのバッファが足りていない気がします。同じカシオのEX-F1では、600万画素60fpsと、1200fpsのハイスピードムービーまでサポートしています。技術的な問題というよりも、カメラ側の性能のせいで、ダイナミックフォトの機能が生かし切れません。

もう少しカメラの性能を上げないと、ダイナミックフォトの実力も発揮しきれないような気がしました。

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