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小説家の収入はどれくらい?

2008年01月03日 読書
「小説家の収入はどれくらいなのか?」、何年か前に適当に計算してみたことがあります。小説家というと「印税でウハウハ」なイメージもあったりするので、現実はどうなのだろうと。

印税収入の計算式は、一般的に次のようになります。
印税収入 = 価格 * 部数 * 印税率
このうち印税率は10%程度と言われているので、わかりやすく1冊1000円の本で計算してみると、1冊売れるたびに100円の収入となります。

仮に1万部売れた場合を考えてみます。
1万部 * 100円 = 100万円!
おぉっ、100万円の収入!」と、100万円という数字に驚いて、すごそうなイメージを持ってしまいます。ところが冷静に考えてみると、1年間に100万円の収入では、学業の傍らアルバイトしている学生にも負ける可能性があります。

一般サラリーマン並みに年間400万円くらい稼ぐには、「1万部*4冊」あるいは「4万部を1冊」くらいのペースで書いていかないといけません。600万円稼ごうと思ったら、「1万部*6冊」あるいは「ヒット作6万部を1冊」くらいの実力が必要で、年収1000万円なら「ベストセラー10万部の本」を毎年量産していくくらいの実力が必要になります。しかもそれをおよそ40年間ずっと続けていかないといけません。毎年10万部売れるような作家と言ったら、それはもう小説に詳しい人なら誰でも知っているくらいの作家になります。

参考までに、書店員はなぜ“伊坂本”を売りたいのか?に載っていた伊坂幸太郎さんの売り上げは次のようになっていました。
タイトル 売り上げ
陽気なギャングが地球を回す 12万部
重力ピエロ 9.2万部
アヒルと鴨のコインロッカー 10万部
オーデュボンの祈り 21.3万部
ラッシュライフ 23.4万部
直木賞候補に選出されるくらいの作家で、うち(ZAPA宅)に伊坂本が全冊あるくらいの作家でもこれくらいの売り上げです。

印税でウハウハ」は、相当遠い世界だということがわかります。実際は、印税収入以外にも原稿料、著作料、講演料などの収入もあります。ただ、売れない作家ではなかなか厳しいものがあります。サラリーマンと違って、税金の面で不利なところもあります。そもそも、仮に1万部売れた場合で考えましたが、1万部売るのだって大変なことです。もし、小説のみで生きていこうとしたら大変なんだろうなぁ、と他人事のように思ったのでした。


自分には文章力もないし小説家も目指していないので、「印税」は全く縁のない世界だと思っていました。まさか自分が執筆した本が出版されるとは思っていなかったので、印税のことを思い出して書いてみたのでした。


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