じゃんけんで勝つ確率
2007年07月19日 雑記
1. じゃんけんで勝つ確率
じゃんけんで勝つ確率は何パーセントですか?と聞くと多くの場合、以下の2つの答えが返ってくる。
1-1. じゃんけんで勝つ確率は33.3...パーセント
じゃんけんには、・グー
・チョキ
・パー
の3種類がある。
この3種類の中から自分が1つ選び、そして相手も1つ選ぶことになる。
選ばないという選択肢はなく、必ずどれかを選ぶことになる。
例えば、自分が「グー」を選んだ場合、相手は「グー」か「チョキ」か「パー」を選ぶ。
「グー」で勝てるのは、相手が「チョキ」を出した場合のみ。
相手が「チョキ」を出すのは、「グー」「チョキ」「パー」の中から3分の1の確率で決めてくるから、結果は3分の1の確率(33.3...パーセント)で勝つことができる。
自分が「チョキ」や「パー」を選んだ場合にも、同様に3分の1の確率(33.3...パーセント)で勝つことができる。
つまり、「じゃんけんで勝つ確率は33.3...パーセント」だ、と言う。
1-2. じゃんけんで勝つ確率は50パーセント
じゃんけんには、・グー
・チョキ
・パー
の3種類がある。
この3種類の中から自分が1つ選び、そして相手も1つ選ぶことになる。
選ばないという選択肢はなく、必ずどれかを選ぶことになる。
例えば、自分が「グー」を選んだ場合、相手は「グー」か「チョキ」か「パー」を選ぶ。
「グー」で勝てないのは、相手が「グー」か「パー」を出した場合。
相手が自分と同じ「グー」を出した場合は、アイコでもう一度やり直す。
アイコが続けば、いつまでも勝負をやり直すため、結果は「勝ち」と「負け」の2パターンしかない。
「勝ち」と「負け」しかないのだから、結果は2分の1の確率(50パーセント)で勝つことができる。
つまり、「じゃんけんで勝つ確率は50パーセント」だ、と言う。
2. では、あなたの生涯のじゃんけん勝率は?
「アイコが出た場合はやり直す」場合、理論上のじゃんけん勝率は50パーセントである。つまり、誰がじゃんけんをしても等しく50パーセントの確率で勝つことになる。
ところが、
では、あなたが今までじゃんけんで勝ってきた確率は何パーセントですか?と聞くと、急に歯切れが悪くなる。
小さい頃から幾度となく戦い続けてきたじゃんけん戦歴を思い浮かべて、悩んだように答える。
私、じゃんけん弱いから40パーセントくらいかな…
俺じゃんけん強いよ!60パーセントは越えてるはず!人によってバラバラな答えが返ってくる。
思い浮かべて欲しい。
じゃんけんに強くていつも勝っている、A美ちゃんの表情と、
じゃんけんに弱くていつも負けている、T男くんの表情を。
「全体として50パーセントになるんだから、人によって勝率が違うのは当たり前だ!」と言う人がいる。
確かにその通りである。
しかし、良く考えてみて欲しい。
じゃんけんをする場面というのは、
誰がやっても不公平にならないよう、誰もが等しく勝つチャンスを与えられた場面であるということに。
「じゃんけんは勝率が50パーセントなんだから誰がやっても同じ」で、「誰もが等しく勝つ権利を与えられ」、「公平に勝負をすることができる」。
そういう前提でじゃんけんを選択して、じゃんけんをするのではないだろうか。
不思議なもので、じゃんけんに負けた場合、じゃんけんに負けた人はじゃんけんに買った人に素直に従う。
「公平な勝負であるじゃんけん勝負において、たまたま運で負けてしまったのだから仕方ない」と。
日本全国、大事な場面でじゃんけんが行われることも多い。
だが実際のところ、じゃんけんの勝率は人によって違う。
「50パーセントの確率で勝てる!」、などという甘い世界ではない。
そこには、理論だけで越えることのできない、奥深い世界が広がっていることに気付かなくてはいけないのだ。